〜夕 顔〜
夕闇にまぎれて花開く
仄暗い庭先で 優婉に私を手招く
昼の眩しい太陽の光の下でなく
蒼白い太陰の光の下で
かすかに微光を放つ白い花は
螺旋に巻かれた その蕾を
闇の訪れとともに 綻ばせてゆく
さながらそれは
妓女の衣が はだけるにも似て
夜に彷徨う蛾蝶の如く
私はその妖しさに 溺れる・・・