夜 叉
我が身はこの世にあれど
心はこの世にあらず
いかにそなたを想えども
我の心は届かじ
この身を焦がす情炎が
我が身を修羅道へと堕とすのだ
愛しい 愛しい いとおしい
それゆえ そなたを憎むのじゃ
恋い慕う想いと同じだけ
鬼となり 夜叉となり
骨身の髄まで憎むのだ
この想いの叶わぬなら
この手でそなたを千々に引き裂いて
血肉の一片 一滴まで
残さず喰ろうてくれようものを
さすればそなたと我は一つ
共に離れる事はない
女は鬼に変ずるもの
我は女夜叉
恋に殉じて堕ちるもの