〜秋 扇〜


秋になり

使われなくなった扇を

忘れてしまうように

あなたは私を

忘れてしまうのでしょうか

あれほど

愛しいと言ってくださったのに

私を抱き締めてくださったのに

今はもう

あなたの心は

私にはないのでしょうか

日を追うごとに

冷たくなってゆく秋の風が

私の心を凍えさせてゆくのです

あなたはもう

私を見てはくださらないのですか

あなたの心が

私に戻る日はないのですか

打ち捨てられてしまった

秋の扇のように・・・