〜里山の秋〜


実りの季節を迎えた里山は
秋の彩りに染まる
稲穂は深く頭を垂れ
風が吹くたび波となる
裾野に揺れる波頭は薄(すすき)
広がる景色は金色の毛氈(もうせん)
いかな高貴な君主とて
これ程美しい敷物を持ってはおるまい
山を染めるは 数多の赤・紅・朱
いかな高貴な姫君だとて
これ程豪奢な錦の衣を持ってはおるまい
何と贅沢な秋の彩りであることよ