『六 花』
音もなく降り積む雪は
はらはらと
花の散りゆく様にも似て
ほんの僅かな風に乗りて
宙を舞う
天高く 風に巻き上げられた
爪の先程もない塵が
目に見えぬ程の水と結ばれる
やがて生まれる氷の結晶は
自然が造り出した
奇蹟の造形