〜恋 歌〜
待てど 暮らせど 来て下さらぬ
愛しい主さま 憎い人
恋うて 焦がれて 主さまを
ただ待つ この身の悲しさよ
翼があるなら 飛んでも行けよう
脚があるなら 駆けても行けよう
鱗があるなら 堀を抜け
愛しい主さまの身許まで
一心に泳いで行けようものを
叶わぬ恋ゆえ なおさら燃ゆる
あちきは哀れな カゴの鳥
この身を焦がす想いを抱いて
今宵も笑顔を繕うて
太夫という名の カゴの鳥
愛しい主さま 待ち侘びて
この身は売れども 心は売らぬ
想いは あちきのものじゃもの
紅柄格子のカゴの中
恋しい主さま 待ちまする