狐の嫁入り


晴天から前触れもなく

いきなり雨が降ってくる

見上げた空に雲はなく

何とも不思議な気分になった


小道の脇の木立の中を

なにやら進むものがある

ああ そうか

私はしゃがんで目を閉じた

これは狐のお嫁入り

余所者は見てはならぬ

花嫁を見られた狐達は

とても怒るというからな

晴天から降り来る雨は

「目を閉じよ 見るなかれ」

とする狐の合図