かぐや姫
月帝玉都より落とされた吾身は
罪深き 咎人
許されぬ罪を背負って
異界へと巡り着た
二度と再び 帰る事は叶わぬと
そう思うていたからこそ
この地で安らぐ事を
己に許したというのに
いかなる気まぐれか
月帝よりの使者が来やるという
吾身を愛しみ育んでくれた
年老いた両親を捨て
心寄せるあの方を忘れ
月へと帰る事の出来ようか
これこそが
吾身に科せられた
真の御罰なのやも知れぬ
今日まで見上げたあの月が
これほどに憎く見えようとは
露ほどにも 思いもせなんだ
あの満月が 恨めしい…