〜十六夜〜


東の空に 躊躇うようにかかる月を

一人静かに待つように

貴方のお出でを ただ待っているのです

そっと忍んで来て下さい

夜陰に紛れて 私の許へ

十六夜の月は

十五夜よりも遅れてかかる

その僅かな闇夜の隙に

裏戸の鍵は 開いております

この高鳴る鼓動を静める為に

どうぞ忍んで来て下さい

今宵は十六夜

恋人達の為に

月も躊躇う夜だから